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ベネデッタのparkoldiesのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.2
「神のご意志です」という言葉を巧みに使った女性の話。

(少し自分語りが入ってしまい恐縮です)

やはりこういう映画を観ると、自分の境遇と照らし合わせてしまう。宗教とは何なのか。神の存在、神の不在、神の沈黙、そんなことを考えるうちに自分もいつしか不信に近い感じになってしまった。

結局宗教とは人間が我欲のために作ったシステムなのではないか。都合の良い時悪い時、全て「神のご意志です」と。この言葉を魔法のように唱えれば、全てが収まる。こんなカルト宗教もどきとキリスト教、果たして何が違うのか。おそらくその答えは一生出ないのだろうが、キリスト教徒であることは自らのアイデンティティの根本にある。そんな映画を作るスコセッシやベルイマンには共感を感じずにはいられない。

さて、肝心の『ベネデッタ』ですが、いずれ再見する気がするので気になったところだけ。あの最後の火刑のシーン、ペストになったシャーロット・ランプリングを唆すシーン、あれは怖かったですね。あのシーンの恐ろしさと言ったら、もうホラー映画以上なのではないでしょうか。

なかなか消化が難しい映画なので、投げやりかもしれませんがこの辺りで…
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