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ベネデッタのひでGのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.2
映画を賞賛する時の語彙が少なくて、自分でも情けない、、
すぐに使ってしまうワード、、
「凄い映画!」

でも、これは、凄い映画だ!😅

「凄い!」を3連発したいぐらいの
「超絶映画」でした。

ポール・ヴァーフォーベン監督作って、今まであまりハマった記憶がないんてすが、
これは、僕の観た中では、ベストヴァーフォーベンでした!

17世紀、イタリアの小さなペシアという街の修道院に6歳の少女ペネデッタが入れられる。

初めて知ったことだが、この頃、修道院に入りには持参金が必要だったんだね、

劇中のセリフでも、「ここは福祉施設ではないのよ」と言っていたけど、今まで見たことがある修道院のイメージとかなり違った雰囲気。持参金の交渉など実に俗っぽい。

神という名で全て隠し通す偽りの社会か?!

聖痕という言葉も初めて知った。
磔にされたイエスと同じ傷が信者にもつくこと。
この映画では、ペネデッタが直接イエスと会話し、「私はキリストの妻だ!」と叫ぶ。

序盤から怪しいことが彼女に起こるが、この映画、最後までその真偽をきちんとは描いていない。そこが上手いなあ〰

奇跡という言葉が段々に広がり、聖と俗か交差し、逆転していく。

後半の怒涛の展開。
持っていたコップを握りしめていた。ちょっと汗ばんでいた💦

この展開は、ネタバレ厳禁。ぜひ、ご堪能ください!

この作品が企画されたのは、コロナ前だったらしいが、私たちは、17世紀の奇妙な事件の中に、現代社会を見出すことができる。

ペストの大流行は、当然ながらコロナ禍を
想起させるし、
ペネデッタの聖痕は、虚偽か真実か?は、
フェイクニュースやSNSでの拡散を容易に想像させる。

また、物語の核となる、ペネデッタの同性愛問題も、劇中のある権力者の、あの立場でありながら、あーゆーことしてるんだ〜という描写との対比で、
同性愛の、同性性愛の何がいけないの?っていう提起にもなっている。

かように、17世紀イタリアで起きた事件を元にした話であるのに、実に現代的な視点をたくさん持っている作品です。

ドキドキする!
溜飲が下がる!(やり過ぎなくらい😅)
そして、セクシー!
何より、超絶面白い!

ラストのテロップは、悲劇的な事実を語るが、観終わった後は、
簡易的な布を羽織り、歩き出すペネデッタに、爽快感さえ感じた。

ペネデッタもこの映画も、
好き! 嫌い!
でも、やっぱり大好き!  
って感じかな😅
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