inazuma

ベネデッタのinazumaのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.2
巨匠ヴァーホーベンの最新作を劇場で! 幸せです!

嘘か真か!?
(自称)神より聖痕を授かった奇跡の修道女が調子のって修道院支配&彼女とイチャイチャやりたい放題する話💒💒
なんじゃそりゃな物語ですがまさかの実話!笑
18禁ヴァーホーベンということでドギツいエログロ激痛描写満載なんだろうなとドキドキヒヤヒヤしてましたが意外とソフトなブラックエロコメディで、良い意味で拍子抜けしました。キツいところはしっかりキツいですが…
嘘がバレるかバレないかのスリルな展開を期待しましたがそうはならず、結局のところ嘘か真かよく分からない。急にベネデッタの声が低くなって怒り叫ぶとことか、もし自作自演だとしたら笑える。予定調和をすり抜けて、しっかりしたコメディ展開にしないところが巧いと思いました。ただどうしても笑ってしまうのは、「"痛み"こそが神へ近づく唯一の方法だ」と神父に言われてハッとなったベネデッタが、何を勘違いしたのか自分ではなく"他人を痛めつける"ところ!しかもその後修道院長に「自分への痛みに決まってんだろ」と説教くらうという…
ここも実話なのか?笑
ベネデッタは天然です。

ベネデッタ…
たとえ嘘っぱちだったとしても自ら行動し奇跡を起こす(または起こしたようにみせる)姿にはグッときた。
神の奇跡×行動的な主人公といえばラース・フォン・トリアーの傑作『奇跡の海』が浮かんできます。男性社会に屈さないところや、半身不随となった夫を助けるため自分の身を顧みずに奇跡を起こそうと行動する主人公ベスはベネデッタと重なる部分がありました。
ベネデッタとバルトロメアを演じた女優は、やることはエロかったり、いろんな意味で汚かったりすることが多いのですが、常にとても上品にみえる。すごい。
一番の収穫はシャーロット・ランプリングでしょうか。演技、というか佇まいがすごかった!この人は『メランコリア』での結婚式ぶち壊しオカン役で初めて知りましたが、めっちゃ感じ悪い表情がツボで印象に残りました。今回も感じ悪い表情は変わりませんが、娘想いの良き母親であり、ある事件が起こり感情を露わにするところはグッとなりすぎて胸が痛くなった!クライマックスでみせる姿とか、、もう完全に主演の二人を食っていました。ファンになってしまった!


だいぶ前に終映したと思ったらFilmerksにて神戸の映画館で上映中との情報を見つけ駆けつけました。公式サイトとかにも情報なかったので助かりました。ありがとうFilmerks。やっぱり気になる監督の作品は映画館で観たい!
inazuma

inazuma