QTaka

MIRRORLIAR FILMS Season1のQTakaのレビュー・感想・評価

MIRRORLIAR FILMS Season1(2021年製作の映画)
4.0
短編オムニバス映画の第一シーズン作品。
9人の監督による9作品。
枝監督のTwitterで無料配信に気づいて鑑賞。
気になった作品をレビュー。
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『さくら、』監督安藤政信
冒頭、3人の男女が「食べる」シーン。
この3人を理解するのに、これ以上明快な表現は無い。
そして、火葬シーン。
何かが起こった、結果がこれだ。
次は、静かに、そして激しい感情の衝突シーン。
俳優の表現力が試される。
あるいは、監督の期待を越えたのかもしれない。
映像は、それを捉えていた。
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『無題』監督藤原知之
ある意味で、映画製作の裏側、製作の現実を表しているのかもしれない。
ドキュメンタリー映画の製作現場で、その”あり方”を問う。
そしてこのストーリーでは、その被写体の存在もまた強烈なメッセージを投げ掛けてくる。
「単なる踏み台なのか!」と。
コレもまた、役者(子役も含めて)の演技力の見せ所だったと思う。
強い力を感じる映画だった。
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『Inside you』監督三吉彩花
俳優が監督として表現したらどうなるのか?
初めての監督作品は、セリフ少なめの映像作品だった。
カメラを手にした若い女性(山口まゆ)がそのファインダーを通して何かを探すストーリー。
被写体の輝きをどうやって捉えるのかがキーになるストーリー。
印象に残るシーンが流れるように映し出される。
スタッフに、三吉監督の以前出演した映画(Dougthers)の方々が入っていたことは随分助けになったのだろう。
監督のイメージが映像に反映されていた様に見えた。
はたして、コレからも映像表現に挑戦していくのか。
チョット楽しみだ。
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『B級文化遺産』監督針生悠伺
実にリズミカルで、楽しい一本でした。
この奇抜な発想をこのテンポで撮ることで、正解。
映像にリズムが付くとこんなにも楽しいのか。
ショートフィルムが最高の輝きの場になることを証明した一本だったと思う。
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『Petto』監督枝優花
短編にストーリーを組み込むのは、とても難しいと思う。
でも、この物語は、普通に映画としてのながれだった。
高校の教室が有り、女子高生が居て。
その中に、ちょっとミステリアスな級友が居て。
その級友のしていることが…
なんとも話しの展開が面白すぎる。
そして、それらを”無駄無く”紡いでいるのが絶妙だ。
そして、この物語が示しているバックグラウンドに何があるのか。
そこを思うと、やはりダークなモノを感じる。
映画とは、映像や台詞を見せたり聞かせたりするだけじゃないと思う。
こうして、”映画”全体から投げ掛けられる何かが伝わるかどうかだろうと思う。
このショートムービーは、まさに”映画”だと思う。
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