ベイビー

べイビーわるきゅーれのベイビーのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
4.1
ずっと観たかった作品。
Netflixで観れるようになったので早速試聴。
噂どおりにめちゃくちゃ面白かったです。

以前、阪元裕吾監督の「ハングマンズ・ノット」を観た時の印象として、かなり胸糞悪い作品だと思いました。内容は半グレ不良ヤンキー兄弟VSコミュ障サイコパス大学生の殺し合い。序盤からグロい演出が続き、登場人物たちの言動も終始意味が分からないまま物語が進んで行きました。

しかしその胸糞悪さの中にも、監督としてキラリと光る才能を感じ取っている自分がいます。無名の役者さんばかり起用しているにも関わらず、どなたの演技もたどたどしさはなく、まして過剰と感じる演技も一切ありません。

僕はグロい映像に目を背けながらも、監督の役者さんへの演技の付け方に興味を持ち始めてしまい、それを意識すると今度はカメラワークも申し分ないと感じ始め、次第に「逆にここまで胸糞悪く作品を作れるのもこの監督の力量なのでは?」と心の中で思うようになっていました。

ですから、阪元監督の普通の作品を観てみたいと思っていたんです。ちゃんとした脚本で普通の作品を撮ったらどんな作品になるだろうと思ったんです。で、気づいてみれば、あれから数年後に今作が大ヒット。そして本日、作品を観終えてからのこの満足感。

なっ!

と自分で自分にドヤ顔をしてみせる自分。
やっぱりあの時の自分の直感は正しかった‼︎

“殺し屋”、“ヤクザ”、“半グレ”、“コミュ障”、“サイコパス”… 相変わらずあの頃とやっている事は一緒なのですが、主人公を女子高生にしただけで、こんなにもエンターテイメント性が高くなるなんて、これ一種の発明ではないでしょうか?

阪元監督の真骨頂というべきリアルアクションに女子高生の可愛さと緩さが加えられ、そして緊張と緩和で織り成す笑いはもちろん、緊張と緩和で緩急を付けてアクションまで見応え良く仕上げているわけですから、面白くない筈はないんです。時折り演技がリアル過ぎて何を言っているか分からない部分もありますが、それはそれでご愛嬌。

とにかくアクションが素晴らしいんです。マヒロを演じた伊澤彩織さん、あの子一体何者? あの子マジですやん。マジの殺し屋ですやん!「ジョン・ウィック」ばりのガンフーアクションと何度もタップして確実に仕留めに行くナイフさばき。あれ、ホンマもんですやん。更にチサトと二人でタッグを組んだら最強ですやん!二人の掛け合い最高ですやん‼︎

あー、また二人に会いたいなあ。「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」観たくなっちゃったなあ。ついでに「ジョン・ウィック:コンセクエンス」も観に行きたいなあ。

今日は久しぶりに見応えのあるアクション映画を観れて良かったです。

今度、阪元監督の他の作品も観てみよーっと。
ベイビー

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