富井

Szenario(原題)の富井のレビュー・感想・評価

Szenario(原題)(2014年製作の映画)
-
1970年西ドイツ。統計学的に平均的な男女3人の情事が(ナレーションで)伝記的に語られる。
ハンス。おじさん。会社の偉い人。既婚者。
モニカ。ハンスと同じ会社に働く女性。ハンスと不倫中。
モニカの夫。控えめ。

映像
ドイツの風景、多め。
写真と文字、少し。
再現ドラマ、ほんの少し。

「歴史だという理由で全ての伝記に深い意味を見出すべきではない」
的な引用で始まる(何の引用か忘れてしまった…)
彼らの個性的なエピソードに対比されるように、統計社会学的なデータの数々が羅列される。
彼らの伝記は彼らを個性的な一個人としてかたちづくっていく。しかし統計データはことごとく彼ら(特にモニカ)の個性を潰す。
これは統計の暴力であり、救いでもある。ある辛い経験や境遇を、他にも共有する人がいるとわかった時の安堵感や連帯感、心強さは大きい。

面白い!
富井

富井