ドラクエデザイン化した最近のドラゴンボールはコミカルタッチで可愛い。Dr.スランプに始まり、そもそも鳥山明のやりたい本分ってデザインなんだろうなと感じるので、ガンガン威厳を失っていく元敵役もいちいち気にしてないで好きにやったらいい。今作での主役(被害者？)はピッコロさん。
『悟飯が研究一筋で家庭を顧みない/修行をしない』という問題提起はなかなか考えさせられる。
幼少期から「悟飯ちゃんは医者になるだ！」とチチに仕上げられてきた甲斐あって、父親のバトルジャンキー気質を「研究」という形で発揮している悟飯。その粗を補うべくピッコロさんがベビーシッターから潜入捜査官まで器用にこなすバイタリティをみせるのが本作の肝だが、この世界における武力(暴力)・知力・父親スキルのアンバランスさが、どうにも笑えない余韻を残してくる。
『パンちゃんが飛べるようになった！』という成長譚に悟飯が一切関与していないから、このドンパチが終わった後も悟飯は懲りずに育児放棄してピッコロさんに甘えるんだろうな…と家庭内問題に解決の糸口が見えずに終わることがこのモヤモヤの根源とみた。
DB世界で唯一の人格者、ピッコロさんが主役でツッコミ役なだけあって、RR軍も味方陣営もハチャメチャな不条理でボケてくるからピッコロさん忙しそう。まぁ楽しそうだから良いんだけど。
