見方を変えれば、彼女も”共犯”。
または運命共同体。
当時ソドミー法(イギリスでは、通称buggery法)により、同性間の性行為は違法。
いびつな三角関係。
作家E.M.フォースター
彼の恋人の警官ボブ・バッキンガム
その妻メイ
当時噂になっていた関係に着想を得た、ベサン・ロバーツによる同題の小説の映像化。
映画は1957年を中心に描く。
1967年には、イギリスで同性愛は合法となる。
時代が変わる中で、いびつな三角関係は、形を変えながらも、見えないながらも、直接のつながりはなくなりながらも、三角関係の鎖は切れることはなかった。
すべてを受け入れ。
すべてを許し、すべてを手放すことで、彼女は自ら鎖を断ち切り、解放される。
ちなみに、1971年、フォースターの死の翌年『モーリス』が出版。
映画化もされた、今作は同性愛を描いた彼の半自伝的作品。
フォースターは、生涯投獄されることはなかった。
彼は恋人バッキンガムとメイの息子ロビンのゴッドファーザー(名付け親)になっている。
ロビンが亡くなったとき、フォースターはバッキンガムと彼の妻をかなり援助した。
そういった意味では、”円満”な三角関係だったのかもしれない。