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こちらあみ子の高卒派遣社員のレビュー・感想・評価

こちらあみ子(2022年製作の映画)
3.5
”少し風変わりであまりにも純粋な小学生”が同級生や周囲の大人たちを巻き込み大きな変化をもたらす。どう考えても辛い話のはずなのに終始軽やかなのは大沢一菜さんの佇まいがあまりにもリアルだからだろうか。自分が彼女だったら、彼女を育てる側だったら、といろいろ考えてしまった。

物語の中では主人公のあみ子が発達障害であるとは断定されない。明らかに作り手の意図があるのだろう。(今村夏子原作は未読)彼女の純粋さゆえにズタズタに傷つけられる尾野真千子があまりにも痛い。”子を理解できないことに苦しむ母親”で言えば『明日の食卓』もある意味でよく似た役柄を演じていた。

個人的には当事者やその家族をどのように支援するべきなのか?という問いが脳裏から離れず、終盤にかけてあまり楽しむことができなかった。身近にあみ子のような子供、もしくはあみ子のような大人がいると、作品の受け止め方が大きく変わってくるのではないだろうか。
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