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こちらあみ子のyuiのレビュー・感想・評価

こちらあみ子(2022年製作の映画)
1.0
正直観ていて希望を感じる映画ではなかった。
何故こういう描き方をするのか分からないし、はっきり言って好きではないです。

その上で、社会のあり方としてこの映画は警笛だと思って欲しいと発達障害当事者として強く願います。

あみ子が逞しくてすごい、とかそういう話ではない。あみ子だって傷ついてるんです、同じ人間です。
ラストで膝まで入水して船の上の人達に手招きされているのはあみ子の幻覚だと受け取りました。手を振り返してはいるけど、そこまで追い詰められているんです。子供の「大丈夫」を信じないで下さい。ちゃんとケアして下さい。

この映画は大人が無知で何も対処できてないバット(ワースト)エンドです。彼女にとって絶望的な瞬間の連続です。
未だに発達障害を認めない人が沢山いる事に驚く。
発達障害には特性があり、一人一人細かくは違うけど対処方法があるのに。
Netflixのユニークライフというドラマを見て欲しい。
アメリカと日本で何故こうも違うのか。

まず周りの大人が障害を障害と認めて、受け止めて、「あみ子だから仕方ない」じゃなくて「発達障害(おそらく学習障害も)だから仕方ない」という事を分かってあげて欲しい。
それは差別ではないから。
治療のスタート地点、障害を抱えて生きていくスタート地点に立たせてあげて下さい。
あみ子が「なんで誰も教えてくれなかったんじゃろう」と言うけどその一言に尽きます。

発達障害が日本にもっと広く認知されます様に。
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