いつまでも子どもであり続ける少女あみ子。
自分はいつから大人になったのか?ふとそんなことを考えさせられた。
全ての出来事はアップで映し出されるあみ子の目から見た無垢なフィルターをとおしている。
母の流産をきっかけに離散していく家族、いつの間にか闇を抱えている友だち。
あみ子のふとした行動が人を傷つけてしまうのだが、子どもの頃誰しもそんな思い出がいくつかはあるのでは?
あみ子を取り巻く現実は客観的には悲惨なのだが、あみ子自身はいつまでも子どもの世界にいてお化けたちと触れ合ったりしている。
大人の世界に決して足を踏み入れられないあみ子だが、自分にはわからないところで動いていく現実をトランシーバーを使って誰かわからない片方のトランシーバーに問いかけ続ける。
やたら明るい少年との最後のやり取りは静かだが印象的だった。
久しぶりに簡単には感想を書かせないタイプの映画に出会った。
それにしてもあみ子役の大沢一菜の圧倒的存在感のすごさは全く何なのだろうか?