2023年、244本目。
"ちょっと変わった女の子"
誰もが子供の頃に一度は接した事があるような周りから浮いた子、それがあみ子。
彼女の挙動ひとつひとつが周りを傷つけ苛立たせ、心を掻き乱す。
ここは小さな地獄。
あみ子の世界に強制的に引き込まれたようで非常に居心地が悪かった。
彼女が何を考えているのか理解はできないが、悪気がない事だけはわかる。
むしろ喜ばせたいと思ってとった行動が相手を怒らせたりしていて悲しくなった。
画一的な制服を着た中学生になると、さらに周りから浮いてしまうあみ子。
先生や同級生のあみ子に向けられる無関心という視線。ますます透明な存在になったあみ子。
「あみ子にはわからんじゃろ」という父親の台詞が突き刺さった。
彼女がどう受け取ったかはわからないけど、心を見透かしたような真剣な眼差しは確実に観ているこちらにダメージを与えてきた。
父親は結局匙を投げてしまうが、彼の気持ちがわからなくないのもまた苦しい。
私も所詮そちら側の人間なのだと嫌でも思わされた。
独自の世界で生きるあみ子の将来を思うと胸がキリキリしてやり切れなかったけど、あみ子は強かった。
ラストは彼女が力強く生き抜く事を示唆していて安心できたし、このシーンが一番好き。
それにしても缶入りクッキーのエピソードは引くほど気持ち悪かったな…。あれだけは本気で無理。
