このレビューはネタバレを含みます
宇多丸さんの2022年ランキング1位の作品ですね!
風変わりなあみ子は、純粋で天真爛漫だったが、徐々に周囲の関係性に支障を来たしてしまう、ってお話ですね。
うーん、これはなかなか重い! 凄いなあ、とは思ったけど、好きかと聞かれると好きでは無かった…かな。
まず、あみ子役の子役俳優さんは間違いなく凄かった。演技とは思えない自然っぷり。本当にそこに存在しているかのようでした!
あみ子は発達障害って設定ですよね。こだわりが強かったり、周囲の人の気持ちがわからなかったり、自分の世界を持ってる子。
周囲が振り回されちゃうのも、優しかったお兄ちゃんがグレちゃうのも、のり君が殴ってしまう、のもわからんでも無かった。
あみ子はもちろん、誰も悪くない、ところにこのお話のやるせなさがあるのかもしれない。しかし、両親はもうちょっとしっかりして欲しい…とか思ってしまった。
ご飯はコンビニで構わないけど、お風呂には入れて、学校には行かせて、上履きは買ってやれ、とか思ってしまったし、担任の先生は親に伝えてあげないの?
まあ、ちょっと昔の設定だし、発達障害という言葉も知られていなかった頃、今とは違うとは思うし、見る人によっては親がこうなってしまうことも理解は出来る、のかもしれない。
画面に映るあみ子は可愛いし、そこまで迷惑?許してあげられない?って見えてしまったのもあって、可哀想過ぎ、って見えてしまった。ま、クッキーはショックかw
あみ子が魅力的に見えるから、もうちょっとわかりやすく、あみ子に救われて欲しかった。坊主頭君は救いだったけど、逆にあみ子は興味無さそうだったしw
ラストで「大丈夫」って答えたのは、救いなのかな。そう、優しくされたからと突然坊主頭君と恋に落ちるとか、急に優しかった頃のお兄ちゃんが戻って来るとかは、無い。それが現実だけど、それでもあみ子は笑って生きて行く、というラストシーン?
なんか、うん、いいんだけど、何とも言えない気持ちになってしまったのでした。監督はこれが最初の長編映画らしく、凄い手腕ではあったかと! 見る価値は勿論ある、しかし、好きではなかったし、元気な時に見ないと辛い気がした。