このレビューはネタバレを含みます
結構しんどかった。。
勝手に、純真無垢な少女がギクシャクした家族をまとめ上げちゃうぞ!てへっ♪みたいなハートフルコメディかと思ってたら全然違った…むしろ逆。
心に余裕ある時にご覧になる事をお勧めします。
おそらく発達障害であろう主人公あみ子は、周囲の人達からも"そういう子"として扱われていた。
小さい頃はまだ無邪気な感じとして許されていたが、ある事がきっかけで父の再婚相手である"お母さん"とも決定的に決裂してしまう。さらに優しかった兄も疎遠になり…
悪気がないとはいえ、結果的に家族をバラバラにしてしまうあみ子。
社会から、そして家族からも隔離してしまう。
途中、映画的なギミックとして少しファンタジー要素もあるのが驚いた。
誕生日に貰ったトランシーバーの扱いが切ない。
「もしもし、こちらあみ子、応答せよ!応答せよ!」
みんなからは離されてしまうが、あみ子自身は繋がりを持ちたいと無意識に願っていたのではなかろうか…
また、発達障害の家族がいるいないに限らず、一つの家族として社会で生きる事ってのは実は難しい事なのかもと思ったりしました。
<ネタバレあり>
ラストの海辺のシーン、バーイバーイ!と手を振るあみ子にほんの少しだけ希望が見えてよかった。
あと、坊主くんの「秘密じゃ!」もカッコよかったぞ!
エンドロールの最後の最後、ある声がトランシーバーから…
(おそらく本当の母親)
この辺りも本作が一作目とは思えないほど、監督うまいなーって思いました。