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こちらあみ子のskittiesのレビュー・感想・評価

こちらあみ子(2022年製作の映画)
3.7
発達障害のあるあみ子がきっかけで家族が崩壊していくお話。
ほんわか系と思いきやかなりの胸糞だし、オーディエンスに委ねる系の映画だからもやもやが残る。心地の悪い空気感も相まって途中で何度か観るのをやめようかと考えたけど、なんとか最後まで鑑賞。

多分設定は昭和か平成初期なんだろうな、まだあまり発達障害に対する理解が乏しいのか、悪い人は誰も出てこないものの、親も教師も誰もあみ子にしっかりと向き合おうとしないのがしんどい。前半までの兄と、坊主頭の少年が唯一の救い。社会の無関心さや冷酷さを投影しているように感じた。妹が死産になってしまったのも運が悪かったし、誰かが根気よく丁寧にあみ子に向き合ってあげられていればラストは違っていたように思うから残酷。

母親のほくろを強調するなど、あみ子の視点での描写が秀逸。

多分本人も悲しいラストの展開になった理由を理解しきれてないように見受けられ、前向きに頑張ろうという気持ちなのだと信じたいし、新しい生活において向き合ってくれる誰かが現れることを祈る。
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