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ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのdalichokoのレビュー・感想・評価

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ライアン・ジョンソンは、何しろスター・ウォーズ最後の三部作は破壊しようとした男である。その男がこの映画で何もしないわけはない。最後の最後でとてつもないものを破壊する。
そしてその破壊によって、彼(エドワート・ノートン)のマネーに支配され操られていた人々が次々と離れてゆくというオチ。
この映画には様々な美術品が並べられる。ムンクやダ・ヴィンチの絵画。そして最後にこれらがどうなってゆくのか。

かつてボブ・ディランが「ネットの普及で音楽の価値が危機にさらされてますがどう思いますか?」というインタビューに「いいじゃないか、もともと音楽に価値なんかないんだから。」これを芸術全般に響かせると山岡信貴監督の「アートなんかいらない!」でも示された問いの答えになる。この映画もまた同じ文脈の中で作られているように思う。

ささやかに取り上げられたエネルギー問題や、コロナ禍の感染などについても言及していて、細かく見ると幅広く社会問題を取り上げているが、エンターテイメントとしてこれだけのスターを終結させ、豪華なセットを使って作り上げている点は見事というほかない。

特にジャネール・モネイの魅力満載である。
必見!
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