ぶみ

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのぶみのレビュー・感想・評価

4.0
ライアン・ジョンソンが仕掛けるパズルの謎を解け。

ライアン・ジョンソン監督、脚本、共同製作、ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、ジャネール・モネイ等の共演によるミステリで、同監督『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の続編。大富豪が、ギリシャの孤島で行う「マーダー・ミステリー・パーティー」に友人等を招待、そこで起きた殺人事件の謎に挑む探偵等の姿を描く。
前作は鑑賞済み。
主人公となる探偵を、前作に続きクレイグが演じているが、他のメンバーは一新、大富豪をノートン、彼に誘われ、島に集まったメンバーをモネイ、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr.、ジェシカ・ヘンウィック、マデリン・クライン、ケイト・ハドソン、デイヴ・バウティスタが演じており、登場人物は、ほぼこの九人なのだが、それ以外にもチョイ役で多くの俳優陣が登場。
中でも、島に渡るメンバーにコロナ対策で謎の薬を噴射する男が、よく見たらイーサン・ホークだったのには驚き。
冒頭、各キャラクターに送られた謎の箱のギミックが面白く、これだけでワクワクが止まらない。
前作では洋館での殺人事件を描いていたが、本作品でも、大富豪に、孤島という、もはやミステリのお約束とも言える閉鎖された空間で物語は展開。
ギリシャでのバカンスといった雰囲気に包まれているため、前作よりもトーンが明るく、コメディ寄りに振られているものの、各所に散りばめられた伏線や、誰もが怪しく見える人物像等、ミステリのエッセンスが散りばめられており、終始目が離せない。
そして、謎が一気に解き明かされていく過程を経て迎えた結末は、ミステリらしからぬ爽快感たっぷりで、これは是非その目で確かめて頂きたいところ。
全てが巧妙に仕組まれていることから、謎解きのカタルシスが素晴らしく、前作同様、オリジナル脚本を繰り出したジョンソン監督の気概に敬意を表するとともに、本作品の世界観にどっぷりと浸かりたいので、願わくば映画館の大スクリーンで上映して欲しかった良作。

レナー・激辛!
ぶみ

ぶみ