なべ

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのなべのレビュー・感想・評価

2.5
 絶海の孤島に集うセレブたち。登場人物は犯人と容疑者、そして探偵のみ。スターの共演に画面を彩るブランド品の数々。前作同様、あのアガサ・クリスティスタイルを踏襲してブノワ・ブランが帰ってきた!
 いや、実はそんなに期待してなかったんだけどね。たぶん劇場公開だったら観てなかったかも。うん、ネトフリでちょうどいいや。お正月にほろ酔い気分で観るにはほどよい作品…なのかな。てか、話が前作より話がバカっぽくなってないか?
 ナイブズアウトのときは、登場人物がそれぞれに切実なものを抱えてたと記憶してるんだが、今回の似非セレブたちは実にしょぼい。取ってつけたような動機で、えーっ、そんなことすら自分で解決できない低脳なのかとあきれながら観てた。そんなだから起きる事件に何の感慨も湧かなくて、手に汗握ることもなく、ただ画面をぼーーーっと眺めてたよ。きっと無表情だったと思う。なんというか“どうでもいい”のだ。
 役割だけが割り振られた登場人物なので、それぞれ背景に深みがなく、時事問題と絡めてあってもすっごく薄味。画面がゴージャスな分、もうちょっとなんとかならんかったかね。
 観終わってからストーリーを思い出そうとすると、なんかすごくめんどくさいんだよ。捻ってるのとはまた違くて、ただめんどくさいの。誰かにストーリーを教えようなんて、考えただけでもめんどくさい。
 挙げ句の果てに爆発とか、展開がとても頭悪そう。演出が雑だから、モナリザが炎に包まれても、なんとも思わない。心にさざなみのひとつもたちゃしない。
 あんまり好きじゃないフォレスト・ガンプ(直前に観てた)の方がずっとおもしろかったくらい。ナパームで燃えるジャングルから仲間を担いでくるシーンなんて泣いちゃったからね。そういう胸に刺さるシーンが皆無ってのはいくらエンタメでもよくないでしょ。せっかくエドワード・ノートンが出てるんだからさ。
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