JJ

一人になる 医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策のJJのレビュー・感想・評価

5.0
本作の高橋一朗監督が去る6月4日、御逝去されたとのこと。心より御冥福をお祈りします。

社会や歴史に対する鋭く厳しい視点と、人々への愛に溢れた視点が同居した、高橋監督らしい作品。
ハンセン病の歴史を淡々と描きつつ、国家権力と闘いながら患者たちを治療した主人公である小笠原登医師の人間性を丁寧に掘り下げることによって、ハンセン病の問題だけに留まらない人間の本質的な愚かさと尊さを同時に描くことに成功している。

この歴史、物語の本質的な部分を読み解かなければ我々はまた同じ過ちを犯してしまうのではないかー。
特にコロナ禍の現在において、この作品で高橋監督が最後に我々に投げかけた意味は大きくなっていると思う。
JJ

JJ