許されたい父親と許せない娘の物語。
真犯人を探すスピード感ある序盤。
中盤は異国でのシングルマザーと幼い娘との暖かい交流。
終盤は突然サスペンスへと転換する。
いろんな要素が盛りだくさんなのにバランスがとれて多国籍料理のような味わい。
フランス語もいいスパイスになっている。
主人公の立場で話は進むけど娘の側に立つとまったく違う景色が見えてくる。
親子の間には深い溝があるからだ。
過去にアル中で自分の望みを１度も叶えてくれたことがない父親。
そんなダメなところを受け継ぐ自分のことも嫌悪している娘。
マヤちゃん達との関係も自分が得ることの出来なかった理想の家族像を見せつけられて娘には耐え難かったのだと思う。
観客は主人公の目線なので楽しい１日だったのに…とショックを受ける。
ラストシーンは重い。
娘は父親を許しきれず、主人公は最後まで娘の気持ちに気づかない。
人生は冷酷だ、という言葉が心に響く。
