デッカード

スティルウォーターのデッカードのレビュー・感想・評価

スティルウォーター(2021年製作の映画)
3.5
マルセイユの刑務所に収監されている一人娘を助けるため父親が真犯人を探す。

サスペンス映画なのだが人生の挫折を味わった熟年の男性がどうにもならない不幸と幸せの間を翻弄される姿が丁寧に描かれている。

マット・デイモンが妻を失い一人娘はマルセイユの刑務所に収監されている人生に疲れた不器用な男性を見事に演じていて味わい深い。
彼がマルセイユでフランス人の子どもと心を通わせ束の間の幸せを感じながらも、実の娘を助けようと衝動的な行動に出てしまう苦悩も見応えがあった。
人生では幸せと不運が紙一重で波のように押し寄せる。そんな感慨にひたらせられる作品。

サスペンス映画としても十分満足できるストーリーもよい。
ラストのデイモンの言葉が印象に残る。

地味な作品ながら哀愁を帯びた良作。
おすすめします。
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