「スティルウォーター」という会社が産業の中心となっている街で、職を失ったビルがフランスはマルセイユに向かう。娘アリソンが、恋人の女性を殺した罪で服役しているのだ。彼女は、アキームという男が真犯人であることを調査して欲しいという手紙を弁護士に送るが、弁護士はそれを取り上げなかったので、ビルが個人的に調査を始める。
無実を確信するアリソンのために奔走する不器用な父親。しかし、何もかもが上手くいかなくなったその時、物語が明後日の方に動き出す。フランスで新たに生きていく目的を見出したビル。彼の人生はそのまま平穏に過ぎていくのか。本来の目的はどうなっていくのか。というサスペンスが、この幸せな日常を取り巻いているスリリングな状況に飲み込まれてしまった。ド骨太な傑作。
