ツァラトゥストラはさくっと語る

スティルウォーターのツァラトゥストラはさくっと語るのネタバレレビュー・内容・結末

スティルウォーター(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

不器用で頑固な中年親父ビルの物語。

夫失格、親失格。
……と内心そう思いながら長年
自身を責め続け、心弱く脆く、
ただ無心になって自分を奮い立たすだけで
精一杯だったのかもしれない。

🇫🇷マルセイユ、
刑務所にいる娘との面会。
ヴィルジニー&マヤ親子との
出会いと暮らし。
自分の無知さと哀れさを知る。
家族とは何たるか、
自分でもよく分からない。
でも自然ともう一度頑張ってみようと
思えるようになったのかも。
今を逃せば生涯娘を失うことに
なるかもしれない。
彼女を幸せにする義務がある。
娘を守りたい!
そんな強い純粋な親心が再び芽生えたことで彼自身をも救うこととなったのだろう。

自然とあるがままを受け入れる。
親が変われば、子も変わる。

しかし現実はそう甘くない。
信じた娘に逆に裏切られ、
ショック!!
再び親としての至らなさに
気づかされ情けないと戸惑うビル……

折角出会えた束の間の幸せも
自ら遠ざけてしまう羽目に。
また大切な人を
傷つけてしまった…
突然の別れ。


父はそれでも良かった、
娘さえ救えるのならば。
決して正しい方法で故郷へ
帰れたわけではない。
バカな親かも知れない。
でもあのマルセイユでの日々は
少なくとも一度たりとも
娘を疑ったりしなかった。
彼は娘を信じ続けた。
疑わなかった。

この想いは確実に娘に
伝わっている。
ラストの親子シーンで
私は確信した。

人生最高の出会いに感謝。
ヴィルジニー&マヤ親子へ
Merci beaucoup✨