このレビューはネタバレを含みます
ずっと観たかったやつ!
すごく好きでした。
マキューシオが仮面舞踏会の前にロミオに伝えてるセリフってこんな調子だったっけか、、?とか、(でもそれが後の悲劇を予感させてて物語の緊張感を高めてるため効果は抜群)キャピュレット夫人のキャラクターが非常に強く、あれぐらい強いとそれに抵抗するジュリエットの覚悟の重みや強さが引き立つよなあとか、ジュリエットもロミオも、愛のためなら死の恐怖を乗り越えていってしまう(ときには軽々と)ところが彼らの危うさを表現していて悲劇性を高めてるし、結果、そんな事態を引き起こしてしまった大人同士の無益な争いの愚かさを際立たせてる。
バルコニーのシーンは喜劇的にもやれると思うけど、今回はロマンチックな要素が強かった。個人的にはもっと欲望むき出しでもいいと思うけど、他のシーンでそれはやってくれてたからまあいいか。
神父の計略がなぜうまくいかないようにシェイクスピアは書いたのかがわからない。まるで神父の過ちかのようにも感じられるし。
運命的に絶対に結ばれない男女、というものを描きたかったのかな。だとしたらそれはなんで??
ただシェイクスピアは現実の問題をただ批判的に描くだけでなく、そのさらに奥にある人間の運命を司る何か、抗えない何か、みたいなものまで見据えて戯曲を書いてる気がするし、それこそがシェイクスピアが深遠たる所以だとも思う。
そういうのを感じることって誰しもあると思うのよね。変えられない何かに苦しむ、みたいな。
全体的に芝居がとても丁寧で素晴らしかった。プロセスがちゃんと見えたから。