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雨とあなたの物語のtaominicocoのレビュー・感想・評価

雨とあなたの物語(2021年製作の映画)
4.0
観てる時は物足りなさを感じたけど、数日経って「あの映画、良かったかも」と、じわじわ心に沁みた作品。

ーー舞台は2003年、韓国。
予備校生のヨンホ(カン・ハヌル)は、初恋の相手ソヨンをふと思い出し、手紙を送る。しかし、ソヨンはヨンホを覚えていなかった。返信するつもりはなかったが、代わりに妹のソヒ(チョン・ウヒ)がある"約束"を条件に、手紙のやりとりを始めるーー

約束とは
「質問しない」
「会いたいと言わない」
「会いに来ない」

妹が代筆をしているからではなく、姉には会いたくても会えない事情がありました。

ヨンホはソヒからの手紙が届くと一気一憂して、勉強どころではない。

一方、予備校の同級生スジン(カン・ソラ)とはつかず離れずの微妙な関係を保っていて、この学生は一体何がしたいんだ?と思って観ていた。

この先どう生きて行けばいいか確信も希望も夢もなく、宙ぶらりんのヨンホ。
このままではダメなことは本人も気づいているけど、現状を壊す勇気がない。

そんなヨンホが一歩踏み出せたきっかけがソヒとの手紙でした。

偶然から始まった手紙のやりとりが、お互いの人生の一部になっていくーー。

手紙が人を繋ぐ作品は、自転車を二人乗りする作品ぐらいハズレがない気がする。
個人的な感覚です。
ノスタルジーを感じるんでしょうかね。


「会いたいと言わない」という約束を破り、ヨンホは「もしも12月31日に雨☔️が降ったら会おう」と手紙に記しますが……。

何年も何年も大晦日に傘🌂を携えて待ち続けるヨンホの一途さ。
ありえないと思いながらも、ヨンホの気持ちがどうか通じてほしいと強く思っていた。

エンドロール途中で「実は……」の新事実に「やられたー!」っていうサプライズもあり。

「この手紙は、あなたの顔を空に向けさせます」
そんなことを言われたら、誰でも好きになるってば😭
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