保護司の方々がまさか無報酬だとは、この作品を観るまで知りませんでした。
序盤では、こんなにも大変なことをやって下さっている保護司の方々にこそ、大切な税金を回してほしい、と強く思いました。
ところが、終盤では、
「あぁ、そうか。もしそこにお金が発生していたら、きっと元受刑者は保護司のことを、心の底からは信頼出来ないのかもな。『どうせお金のために定期的に会って、適当に報告してるだけでしょ?』などと思われかねないだろうし。無報酬なのに向き合ってくれる保護司だからこそ、元受刑者は信頼することが出来て、更生に本気で取り組めるのかもしれない。」と、考えが変わっていました。
この保護司というシステムがきちんと成立して回っていること。素晴らしいな。日本も捨てたもんじゃないな。と思いました。
よく思うのですが、人は、誰かから大切にされたり愛されたり、大切にしたり愛する幸せを知ってしまったら、犯罪なんてものとは無縁でいられるんじゃないでしょうか。
悪い誘惑を寄せ付けないポジティブな空気感だったり、思考回路が悪事のベクトルに向かない強さだったり。
どんな関係性にしろ、気持ちを自分に向けていてくれる人がいるんだって思えている状態って、大事だし、大きな意味を持つことなんだなって。
保護司の意義って、凄いなって。
保護司をなさっている方々って、素晴らしいなって。
この世から、悲しい境遇から生み出されてしまう悲しい犯罪がなくなればいいなって。
誰もが愛で満たされた境遇に生まれ落ちる世の中にいつかなればいいなって。
キレイゴトでユメみたいな夢かもしれないけれども、私は本気でそう感じたんですよね。この作品を観て。
若葉竜也さんが、またしてもえげつない程に素晴らしかったです。
全部持ってっちゃってましたね。
今の日本で最高の役者さんだと思っております。