地底獣国

OSLO / オスロの地底獣国のレビュー・感想・評価

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)
3.5
2016年初演の舞台劇(ブロードウェイ版はトニー賞を受賞)の映像化作品。

こちらはオスロでの交渉を仲介したノルウェー外交官夫妻の視点を軸にしており、ちょうど「オスロダイアリーズ」を補完できるような構図になっているのが興味深い(まあ「そこ絶対盛ってるやろ」という箇所もあるけど)。

夫のテリエの方はその後いろいろスキャンダルが表出したせいか、妻のモナと較べて軽率だったり口車でその場を凌いだりする人物として描かれている上に、演じてるのがモリアーティの人だったりするんで「大丈夫かいな?」という気になってくる。その分モナの信頼度がupしてるわけだが。

あと、演じてる役者さんたち大体は本人に似せてるんだが、ウリ・サヴィールだけ随分イケメンが演ってるのはどういう理由なん?

余談:エグゼクティブプロデューサーに名を連ねているスピルバーグ、嘗て「ミュンヘン」を撮った時にはパレスチナ、イスラエル双方から批判されもしたが、できる限り中立性を保とうとしている印象だった。その彼が現在イスラエルの軍事作戦a.k.a.ジェノサイドに支持を表明したというのは、よほどの圧がかかっているのでは?と思わずにはおれない。早期停戦を訴えた俳優たちが反ユダヤのレッテルを貼られて干されたりと、アメリカのエンタメ業界は前世紀の赤狩りの愚を再び犯しているんではなかろうか。
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