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トラブル・ノー・モアのmimagordonのレビュー・感想・評価

トラブル・ノー・モア(2017年製作の映画)
4.0
私は後追い世代でベスト盤から入ったのもあって、クリスチャン三部作には特に違和感なく入れたし、根っからゴスペル好きなのもあってむしろ好きな時期。当時としてはとんでもない驚きだったんだろう。まだボブ・ディランは反逆児として見られていたのだと思う。それは「フォークの神様」と呼ばれていたころから否定してたけれど。ゴスペルは歓びの音楽。バンドの一体感とコーラスの高揚感はバツグンだし、ディランも楽しそうだ。マイケル・シャノンによる説教は、曲の歌詞と結びついているので歌詞に字幕がないとわかりづらいけれど、迫真の演技は彼の教会の中に入り込んだような感覚になる。なぜボブ・ディランはキリスト教に傾倒したのか?その答えは出ないし、本人にしか知り得ないだろう。でもそこには確かに、音楽を楽しみ、神との繋がりを感じるディランの姿が克明に刻まれていて、それこそがこの時期のディランを特別なものにしているのだ。
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