このレビューはネタバレを含みます
娘、イザベルの長崎紀行。でも、それは父、ピーターと被爆者、スミテルとの友情を辿る旅だった。
平和と核兵器廃絶を訴える映画を作るには、どういった形式を取るのがベストだろうか。
日本人に馴染みがあるのは、ピーター役、スミテル役の俳優を起用したドラマだろう。
ドキュメンタリーとして淡々と撮った本作は「今、生きている私」の視線で描かれ、他人事ではない「世界」あるいは「世界の平和」が見えてくる。
ドキュメンタリーとして描くことで、客観視できない「世界」と「世界の平和」がじりじりと迫ってきて胸が苦しくなる。
核の脅威がチラつく今こそ、私達は傍らにその苦しみを置いておかなけれはならない。そういう意味で、平和と核兵器の廃絶を訴える映画としてドキュメンタリーは最適解なのかもしれない。
核兵器のない世界
戦争のない世界
スミテルさんのいなくなった世界で私達は平和を引き継いでいかなければならないのだ。
それを先導するべき時期が来ている。