乙

ディア・エヴァン・ハンセンの乙のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

視聴前に期待してたことは心がスッと晴れる感動のエンディング。
自殺した少年の親友だったと嘘を付いた少年がどう救われるのか。

視聴後の感想としては第一に感情が宙に浮いてしまった。
主人公エヴァンは不可抗力もあるものの、進んで嘘を付いてしまった様に見える。コナーの妹ゾーイはエヴァンを信じて好きになってしまうが、エヴァンはそこでも留まらない。エヴァンが悪い人間でないことは確かだし、同情もするが、彼のことを倫理的に許せないという気持ちが常に付き纏う。コナーの家族にも問題はあるが、彼らがとにかく不憫で仕方がない。

最後の償いも、彼の罪を償う様なものではなかった。事実、脚本でも贖罪で彼は幸せにはなってないし、救われてもいない様に見える。

ただ、唯一彼を救ったのは母親の愛だと思う。
ただ、私が観てる限り、クライマックスに行くまで母親の影が薄く、最後の母の愛の演出も薄い様に感じた。

母親がそれでも愛してるとエヴァンに伝えるシーンに向けで物語が進んでいれば、もう少し気持ちがスッとしたのかもしれない。

あとミュージカル映画は基本的に明るさが大事だと思う。
明るい歌を歌ってでも、エヴァンが嘘ついて周りを欺いてるモヤモヤで楽しい気分にならない。
歌の入る箇所も中途半端で、半ミュージカルという印象。
乙