パン

ディア・エヴァン・ハンセンのパンのレビュー・感想・評価

3.8
今一人で耐えられないと少しでも思っているなら見るべき映画。解決にはならないかもしれないけれど考えるきっかけになると思います。

コナーがエヴァンのギプスにサインしたのはコナーの最後の本心だったが、それを拒絶してしまった訳で、エヴァンのその行動だけでなく家庭環境や周囲からの無関心が彼を追い詰めてしまったということ。コナーやエヴァン、アラナのように胸に秘密を抱えても尚何もないフリをして暮らしている"匿名"の人はたくさんいて、その人たちに「ありのままの自分でいて、太陽に手を伸ばして」というのがこの映画のメッセージ。

誰でも目の前に夢見た物が転がっていたら手に取りたくなるけれど、自分を今大切にしてくれている人に感謝してそれでも足りない心の穴は専門家に救いを求めて、とエンドロール後のメッセージで伝えていた。

歌も素晴らしくて、ミュージカルはあまり見ないけど、メッセージを伝えるには最適な手法だなと思った。心に直に響く感じがする。
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