カミツレ

ディア・エヴァン・ハンセンのカミツレのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ブロードウェイミュージカルの映画化。
冒頭から歌たっぷりのミュージカル調で進行され、舞台も映画も両方堪能したような気分になった。ミュージカルでも主役をつとめたベン・プラットの歌声がすばらしくて、映画が終わったあとも何度も何度も繰り返し聴いた。特に『For Forever』という曲の歌詞がとてもすてきで大好きな曲のひとつになった。

映画のストーリーとしてはラストが想像したものとかなり違っていた。でも決して悪かったという意味ではなく、完璧なハッピーエンドではない終わり方でもなぜだか救われたような気分になり少し驚いた、という感じ。

自分の中に悩みを抱えていると、周囲の人間がとても幸せそうに見え、こんなに苦しんでいるのは自分だけなのではないかと思う瞬間が多々ある。だけど程度の違いはあったとしてもほとんどの人が『なんでもないフリ』をしているだけなのかもしれないと本作で気付かされる。頭では人間はみな悩みの1つや2つくらいあるってわかっているのに、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうとそれが見えなくなってしまうんだよな。

だからこの物語のように、他人の中に自分と同じ弱さという共通点を見つけると安心してうれしくなる気持ち、自分だけじゃないって励まされる気持ちわかる。

BTSのシュガさんも言っていたけど「メンタルヘルスの問題はもっとオープンに話し合うべきではないか」と。本当にそのとおりだと思う。わたしたちはみな『匿名の子』になんかならなくていい。

セリフからじゃなく、歌から入ってきて湧き上がる感情もいいな。
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