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ディア・エヴァン・ハンセンのこーたのレビュー・感想・評価

3.9
死人に口なし、とはよく言うけれど、それをこんなにポジティブな意味合いで使うことはなかなかないのでは。もちろん嘘はよくないけども、程度はどうあれエヴァンみたいなことしている人は意外といる気がする。大きな嘘は相手を心から傷つけるけど、小さな嘘の積み重ねは時に優しさでもある。

以下ストーリーメモ
抗うつ薬や対人不安の薬を飲みながら学校生活を送るエヴァン・ハンセン。彼はセラピーの課題で自分宛の手紙を書く。そんな時、周囲を威圧する態度で孤立する生徒・コナーがエヴァンの手紙を持っていってしまい、そのまま自殺してしまう。両親が彼を親友だと勘違いしたことから、エヴァンは思わず嘘をつくことになる。
無理がありすぎる嘘なのでいつバレるのやらと冷や冷やするが、なかなかバレない。彼の追悼集会がターニングポイントになっており、そこでエヴァンのスピーチが同じ境遇の若者に瞬く間に拡散され、一躍注目の的になっていく。妹のゾーイともラブラブで絶好調。
一方コナーのためのチャリティ募金が始まるなど、どんどん後に引けなくなっていく。チャリティのリーダーでもあるアラナがエヴァンのことを不審に思い問い詰めると、彼は証拠として軽率にも遺書(仮)を送ってしまう。アラナがチャリティ目標を達成するため、その遺書を公開してしまうことで今度は家族が非難されていく。
家族への非難を避けるため、エヴァンは真実を打ち明ける。自分にはない家族をどうしても手に入れたかったからこそついてしまった嘘だった。全てを失うエヴァンだったが、そこからコナーのことをもっと知ろうと行動をはじめる。ついにコナーが生前ギターを弾く映像を手に入れたことで、関係性は修復されていく…。最後はゾーイとチャリティで復興したリンゴ園での別れを描いている。
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