なお

007/美しき獲物たちのなおのレビュー・感想・評価

007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)
4.0
久しぶりに007マラソン再開。
007 シリーズ第14作目であり、撮影当時57歳であったロジャー・ムーアが演じる「ジェームズ・ボンド」の最後の勇姿を映した作品でもある。
(ちなみに、本作のボンドガールを演じたタニア・ロバーツの母親が自分より年下であったことを知り、自身の007シリーズからの降板を決意したという)

そんな経緯もあり、本作はロジャー版ボンドの「集大成」とも言える作品となっている。

✏️集大成
もはや007シリーズのお約束・風物詩と化している、一面の銀世界で展開されるスキー・バトルから物語は始まる。

その後はロジャー版ボンドの代名詞ともいえるコメディ寄りの作風を見せたかと思いきや、陸海空に舞台を移した硬派なスパイ・アクション映画としての一面も覗かせ、ロジャー版ボンドの「集大成」にふさわしい展開の目白押し。

この「コメディ」と「硬派なスパイ・アクション」のバランスが、個人的には大変心地よく、今まで鑑賞してきた007シリーズの中でも一番の作品となった。

個人的に心震えたのは、敵組織の女幹部であったメイ・デイの最期。
ギリギリのギリギリまでボンドと敵対していたはずの彼女が、自らの誇りを守るためにボンドと共闘。
物語の展開的に、ボンドに代わって親玉のゾーリンを討つ役回りだと予想していたので、これには意表を突かれた。

☑️まとめ
ロジャー版ボンド集大成にふさわしい、バランスの取れた作品内容。

本作のクライマックスにて、ボンドは敵対国であるはずのソ連から勲章を与えられた。
(ちなみにこの演出も、1973年公開『死ぬのは奴らだ』から数えて、12年もの間ジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーアの功績を称えてのものであるらしい)

偉大な先輩、ショーン・コネリーと、1作ではあるがジェームズ・ボンドとして世界の平和を守ったジョージ・レーゼンビーから受け継いだ「殺しのライセンス」は、奇しくも1975年公開『殺しの許可証』という映画に出演経験のあるティモシー・ダルトンに受け継がれることとなる。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:2(1)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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