とらキチ

女神たちよのとらキチのレビュー・感想・評価

女神たちよ(2016年製作の映画)
4.0
IMW2021②
変な例えだけど、まるで韓国ノワールのような、ちょっとドロッとして奥深く、味わい深かった作品。それでもちゃんと踊りますよ。
前半のちょっとトレンディな匂いのする群像劇からインターミッション後のハードモードなサスペンス劇への急展開にビックリさせられた。
タイトル、邦題がコレまた秀逸で、インドにおける家父長的な、男尊女卑的な、身勝手な男性に振り回され苦悩する女性たちが、インドの古寺に置かれる女神像に重ねて描かれる。
また“雨”を効果的に使ってきたのも印象的。
基本男性陣はクズだらけ。アルコール依存で身勝手すぎるアルルには1ミリも共感するところが無かった。自分は男だけど、あんな状況で嫁と元サヤに戻れると思うなんて、あまりに男目線のあり得ない願望過ぎてファンタジーでしかない。また子供の無邪気さをダシに使ってくるのが卑怯だなぁとも感じる。そのアルルの幼なじみで弟的な存在のVSP演じるマイケル含め、男達みんなが直情的過ぎた。VSPはそもそもクズな役だったけど、最初は可愛かったのに、どんどんクズ度が増して落ちぶれていってたなぁ…。
直情的で身勝手な行動で破滅していった男達に対して、女性への敬意に満ちあふれたラストの描写がとても印象的だった。
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