わしみや

理大囲城のわしみやのレビュー・感想・評価

理大囲城(2020年製作の映画)
3.8
香港の逃亡犯条例改正デモに関する映画。大好きなドキュメンタリーで評価もかなり高く、仕事はまったく終わっていないけど切り上げて劇場へ向かった。
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誰がどのように撮ったドキュメンタリーなのだろうというのがシンプルな感想。きっと有志が撮った動画を繋げたものなのだろうけど、警察隊との最前線の攻防までカメラに収められていて驚き。香港理工大の中の話だけではなかった。包囲網の突破の時はさすがに身一つで飛び込みすぎじゃないかと思ったけど、あれがギリギリで戦う人間の姿なのかもしれない。
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戦争や紛争地帯のドキュメンタリーを見て、生きるか死ぬかの戦いをしている人をよく映画として感じていたから、「私たちは家に帰りたいだけだ」というのが少しお坊ちゃんぽく見えてしまっていたのだけれど、鑑賞後の今思うと、だからこそ身近なところにある闘争なのだろうと感じた。(事実、映画にはっきりとは描かれていないが裏側での迫害のようなものはあったみたいだし)
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映画は世相を表すなというのがこの2年映画を見続けてきた感想なのだけど、やはりこのタイミングでこの映画が公開されているのは非常に意味があることなのだろう。少なからず私たちというか、世界全体が不条理に向かって立ち向かわなければならない日が近づいているということなのだろうな。
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