無力感に襲われる
警察の圧倒的な武力が、デモ隊の「正義を貫きたい」気持ちを打ち砕いていく。
長時間の包囲によって消耗しきった彼らは「家に帰りたい」と口々にし、心が折れて投降していく人もあり、それを非難する仲間も、悔やみながら見送る仲間も。
階段で立ち止まった少年2人は、あのあととどまったのだろうか、それとも出ていったのだろうか。そして自分があの場にいたなら、果たしてどっちを選ぶのだろうか。
激しい衝突のさなかにこの貴重な記録を撮りためて、フッテージを守り、各国で上映するにまで尽力した製作者を賞賛したい気持ちと、それが完全な匿名でしかなし得なかったこと、彼らがレンズを向けた青年たちが今どんな状況にいるのかを思うと安易に感想を述べることさえも憚られてしまう。