けーはち

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミーのけーはちのレビュー・感想・評価

3.6
人間世界で暮らす地獄から来た悪魔の子、ヘルボーイが織り成すデルトロ節全開のオカルティック・ダーク・ファンタジー!

アメコミ原作の映画だとは知っていたので「アベンジャーズ」的な垢抜けたヒーローが超能力でバンバン活躍するスタイリッシュなアクションを想像したが、蓋を開けたらフリーキーで禍々しい怪獣・人外ものだ。

序盤はB級ホラー的にポンポン人が死ぬし、ヘルボーイも人から迫害され、それは映画の終わりまで変わらない。決してマイノリティが受け入れられない陰欝さはアメコミ映画というより日本の深夜アニメ的メンタリティ。実際、深夜アニメ化されて好評を博した「血界戦線」のキャラの元ネタになっているので日本ではそちら方面で売っていくのが良いのかもしれない。恋バナで盛り上がって、酒を酌み交わすヘルボーイたちは、さながら中高生男子のようでもあり、そこで垣間見る不器用な友情の形はブロマンス的でもある。

卵形態の休眠状態から復活し、ガチャガチャ動くゴールデン・アーミーの造形は、レトロで神秘的な機械感が良い。