JAZZの記録、というとライブ映像やインタビュー撮影がほとんどだと思うが、こちらの作品は写真家ユージン・スミス氏が50年代に住んでいたN.Yのアパートに集まるミュージシャン達の会話や自由に演奏している様を、設置したマイクで録音し撮影、それらを新たに再編集したもの。
ユージン・スミスがその様子を切り取った写真に被せるように音が、会話が聴こえてくる。なにせ会話が自然。自分がその部屋にいて聞こえてくるかのような臨場感と生々しさ。
主であるユージンはと言うと、何やら悩み深き頃だったようだが、こうした交流を経て後々の活躍や「MINAMATA」にも繋がってくるわけだ。
史料として観るも良いが、ジャズ・ミュージシャン達のクールなやり取りを楽しむ、ただそれだけでも価値がある時間だ。