Jasmine

パンケーキを毒見するのJasmineのネタバレレビュー・内容・結末

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

現代日本の政治を皮肉MAXで描いた1作

途中途中に挿入されているアニメーションが政治を分かりやすく、且つ皮肉交えで面白おかしく伝えてきて、印象的だった。
風刺画のような描かれ方だった。

後半戦にある大学生の政治に関する立ち位置や想いに共感。

政治を語る時必ずと言っていいほど、「若者が」という言葉が否定的に使われている。
「若者の政治的関心が低い」
「若者の投票率が低い」
「現代の若者は国を如何も思っていないのか」
果たしてこれは真実だろうか。

若者が政治に関心がないのだろうか。それとも関心はあってもどうしていいかわからないのか。そもそも深く学べる場が少ないのか。日本のことを本当にどうでもいいと思っているのだろうか。
私は本当に政治的興味関心が若者にないとは思えない。

それどころか、若者の投票率が低いことを現代の日本の政治はしめしめと思っているのではないだろうか。

私は現若者は政治に興味関心がないわけではないと思う。政治や日本社会に期待を持てないのが正直なところではないだろうか。
希望を失った絶望の中を生きる感覚が現代の日本の若者だろう。

自分達が声を上げる(投票する)意味や価値を見出せないでいるのではないだろうか。実際に私たちの声が政治に、社会に届いた!という感覚を持っている若者はどれだけいるだろう。

現代は20-30年前とは違い、若者のフィールドが日本だけでなく世界に目が向いている。
日本はこのままでは、優秀で有能な若者を手放す結果となるだろう。

「若者が政治に関与していない」これについて「何もしない国」の方が私は問題視するべきだと考える。

次の世代を担う若者が政治に関心を持っていないのであれば、なぜそうなるかを考える必要があるだろう。

今の日本社会は、国や政治は伝統的で不変的で何十年前から時が止まっている。しかしその周りの実際生きている人々、そして時代は物凄いスピードで進んでいる感覚だ。
国は動かぬ大きな古時計、そこを生きる住人(若者)はアップルウォッチなのだ。
Jasmine

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