ヤベヒロシ

パンケーキを毒見するのヤベヒロシのレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
3.3
最近の政治を揶揄する、批判するドキュメンタリーの流れにのって。保守的に自国を批判しない日本にとっては貴重であるだろう本作。
昨今色々と話題になった政治ドキュメンタリーたちはかなり真面目に誠実に描かれていた分大変好みであったのだが、本作はどうか。

寒いアニメーション、外国人美女の読書シーンや、賭博場の賽の目を振る女性など、閑話休題のつもりか、本筋と離れるような妙なシーンが目立つ。ナレーションもこの手の内容に対して、過度にフランク。

前半はそれが悪ふざけのようにもとらえられ、なぜ本質だけで勝負しないのかとなんともいえない気分に。

ラストに向かうにあたって、だんだん真面目な問いかけを含めた構造になり良いが、ラストも20代の投票率の低さや、今の政治について、ひとつの大学生サークルの数人に意見聞いてそれが総合意見かのように〆るという暴挙ぶり。批判することに集中して、今の話どころか、戦時の軍艦の話と対比しだしたり。

誰しもが今おぼろげながらも疑問に持ち、このままで政治は良いのかと考えているだろう中、非常にタイムリーな本作ではあるものの、その我々の疑問に対して果たしてどれだけこの映画は応えられていたか。ヤジレベルにクオリティは落ち着いていなかったか?

いくつかの答弁をきりとった内容で、パンケーキのような膨らませた中身なのは、本作も同じではなかろうか?

問題提起としては良いが、クオリティ、演出には疑問が残る作品だった。
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