ドント・クライ プリティ・ガールズ！の櫻のレビュー・感想・評価

いつも曇り空のなかを諦めて佇んでいるかのようなまなざしは光らない。閉塞的な彼ら彼女たちの日常には、音楽だけが楽しげに響いていて、詩がしずかに心をなぞっていく。ほんとうの幸せを知る前に用意されていた誰かが辿った道。変わり映えのない日常を、変えてしまうくらいの恋。人生って素晴らしいと言えるのは、生きているうちのどれくらいなのだろうか。明日からは大丈夫だと誰かが歌うのを、無邪気に信じていられる少女のころはいつまでだったか。虚しさで膨らんだ自分の心をいちばん知っているのは自分だった。