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平成真須美 ラスト・ナイト・フィーバーのMelkoのレビュー・感想・評価

3.6
「踊ろう!!……今だよっっ!!」

2019年5月1日
元号が令和に変わった日

平成が終わろうとしている時
バスケアイドルに提供する曲を製作しているが、絶賛スランプ中のミュージシャン 悠伸
そんな彼は、3人のダンサーが踊っているところを見ないと曲が浮かばない らしい……
途中で降りたダンサーに代わり、バイトとして連れてこられた真須美
4/28 元号が変わるまであと3日、果たして、まだ影も形もないその曲は、無事に完成するのだろうか…

「いるいる!こんなドライな感じの若い子」を演じさせたら右に出る者ナシな伊藤沙里
その魅力が芳ばしい本作
突然飛び出す、正論という鋭い言葉のナイフ
他人のことはドライに冷静に分析できるのに、自分のこととなるとグダグダ

自分の心のグダグダな部分を擬人化したかのように、挙動不審な奇人ミュージシャン悠伸
最初は訝しつつ、思うように作曲が進まずプロデューサーからは詰られ追い込まれる彼の姿に、真須美はきっと自分を見ていた

ダメダメ元カレの眼差しが怖い
きっと、自信のある容姿に甘い言葉で、望むものは何もかも手に入れてきた奴
口下手でオドオドしどおしの悠伸とは真逆のタイプ

己を解き放ち、自分を信じてミュージシャンとしての小さくも大きな一歩を踏み出した悠伸
心を揺さぶられる涙の真須美
悠伸の視線の先にいるのが自分じゃなくても、幸せなのかも
だって悠伸は自分のネガティブな部分の象徴みたいなものだったから
振り返らないで、新しい時代を進む

平成最後の夜、渋谷で実際に撮影された映像が終盤に挟まる
コロナ前、世の中はこんなに人が集まってた
大晦日でもないのに祭りみたい

やはり伊藤沙里はすごい女優さん
悠伸役の俳優さんも、熱演熱唱が凄かった
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