まーしー

ドラえもん のび太と雲の王国のまーしーのレビュー・感想・評価

4.0
映画シリーズ第13作。
「雲固めガス」で作った雲の王国を舞台に、天上人の壮大な計画に立ち向かうドラえもんたちを描く。

雲で作ったお城が登場するなど、舞台は夢のような世界。
しかし、環境問題への警鐘がテーマとなっており、観客に訴求するメッセージは重い。
加えて、ドラえもんの故障や地球の水没など、ショッキングなシーンも用意されている。

単に内容が重いだけの作品ではない。
『ドラえもん』映画の中でも上位なほど、脚本は秀逸。
特に、ひみつ道具「迷子探し機『ごはんだよー』」や「マジックドーム」を使った伏線回収はお見事。さりげないエピソードの挿入かと思いきや、立派な伏線となっていた。

また、ドンジャラ村のホイ君や、植物星大使のキー坊など、『ドラえもん』本編とクロスオーバーするのも特徴の1つ。
私はオリジナルのエピソードを知らないが、簡単に解説が加えられるなど、初見でも優しい作りとなっている。

公開から30年。
作品内では、環境問題に対する時間の猶予が叫ばれていたが、その後、人類は解決に向けた取組みができているのだろうか。
個人的には、単なる先延ばしになっているだけのような気がする……。