映画好きなリコ

ドラえもん のび太と雲の王国の映画好きなリコのレビュー・感想・評価

4.0
この作品は、舞台設定は違えど、宮崎駿の「もののけ姫」とほぼ同じプロットを持つ作品だと思います。もののけ姫公開の五年前に、人社会VS自然というプロットに、人間を許すことはできない、しかし中にはいい人もいる。共に生きようという答えを出していたのが素晴らしいです。
藤子・F・不二雄の早世が悔やまれてなりません。

これは大変恐ろしい映画だと思いました。
なぜ話し合いに武力が必要なのか、なぜ争いはなくならないのか、なぜ思想の違いから内紛が起きるのか、ということを非常にわかりやすく、ノア計画に対抗するドラえもんと密漁者が体現してくれていました。

雲戻しガスを使ったときに、きっとあの可愛い雲ロボットたちも、もののけ姫のコダマのように全滅したんだろうな、と思うとえげつないです。
ブリキの迷宮でもドラえもんが壊れますが、今回はある意味二回壊れるので、その喪失感は大きいと思いました。ただ、一回目の壊れ方はとても可愛いくて好きです。