ボブおじさん

スケーターガールのボブおじさんのレビュー・感想・評価

スケーターガール(2021年製作の映画)
3.8
インドに暮らす10代の少女プレルナを主人公にした青春映画。イギリス人のジェシカと出会ったプレルナは、それがきっかけでスケートボードに夢中になるのだが、父親の猛反対にあってしまう。一方ジェシカは子供たちに夢を与えるためスケートパークの建設を計画するが…

貧しいカースト出身の少女が、スケートボードに出会って、階層や性別の壁に抗い自分の居場所と自由を感じる物語。

厳しい規則や慣習に縛られるプレルナがスケートボードの上だけでは解放される。風を感じながらさまざまな呪縛から解き放たれた彼女の表情が実に爽やか‼︎

初めて情熱を注げるものを見つけたプレルナは、親の言いつけや慣習に疑問を抱き始め、自分のための夢を描く。さらにスケートボードは、女の子や子供たちにカーストを超えて楽しむ機会を与えてくれる。

一方スケートパークを作ろうとしたジェシカや、パークの建設を経済的に支えた村の女性権力者など、女の子たちの解放のために動いた大人の女性たちの姿も心を打つ。

ストーリーとしては王道で、ご都合主義なところもあるが、実話をもとにしたエンタメ作品としてよく出来ていると思う。

ジェシカ役は、子どもたちへスケートボードを通じ教育・ジェンダーの重要性理解を促進する活動したドイツ人女性がモデルのようで、実際にスケートパークを建設している。

インド社会特有の階層格差・性差別という重くなりがちな背景を背負いながらも映画のトーンが暗くならないのは、プレルナをはじめとした子供たちの弾けるような笑顔があるからだ‼︎