どうたく66

スケーターガールのどうたく66のネタバレレビュー・内容・結末

スケーターガール(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

これは重要な映画です。軽く観てしまうと問題を抱えた社会を自由になることにチャレンジした女の子の物語としてハッピーエンドにみえてしまうがスケボーを選んだことはそんなに単純な話ではない。

インドはカーストなど法律で禁止しているらしいが、いまだに映画で描かれるインドはカーストごとに井戸があり、男女の別カーストの付き合いは持ってのほか、生理の女の子は寺院に入れない、自分が生まれた歳もわからない、女の子が自転車やスケボーにのるのはもってのほか。一番きつかったのは子供に「将来何になりたい?」と聞いて「そんなこと考えたことない」という答え。壁塗職人のカーストの男の子は壁塗職人にしかなれず、女の子は壁塗職人の奥さんの専業主婦にしかなればい。これがまだインドの地方で続く現実。2021年の映画製作時も変わっていない。

映画『行き止まりの世界に生まれて』で行き場がなく家庭内暴力を受けている子供たちがスケートボードに熱中する姿が描かれていた。スケボーは路面に集中するために精神が不安定な子供たちにはいい効果、解放の効果があるらしい。この映画でも、いままで何も自分で決定できなかった主人公の女の子がスケボーで自分をコントロールすることで空を飛んでいるような解放感を得ることが出来た。

Netflixは撮影のために作ってスケボーパークの施設をそのまま寄付して女の子の自立や夢を追うための施設となっているらしい。これがうまく運営され続けることを願う。過酷な人生のスタートを送らざるを得なかった女の子たちへの少しでもの助けになれば。
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