湯っ子

裁かるゝジャンヌの湯っ子のレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
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神も悪魔も人間が想像して作ったものだから、神も悪魔もその点では同じもの。だけど何を神として何を悪魔とするかの違いは所属する団体によって違っていて、各団体の中では、ある一定の決まりを作っておくことが秩序を守るとされている。審問官たちに対して思うのと同じく、ジャンヌが口にする「神」にも、私は理解ができなかった。
神とか悪魔とかの話を傍に置いて考えたほうが、私にはすんなりと心に入ってきた。ジャンヌは自分の信念に殉じたのだと思う。自らを焼き尽くして最後まで闘ったのだ。その姿が伝説となり、のちに聖人として信仰の対象となる。
特定の宗教を持たない私だけど、宗教や信仰、神というものについてはこれからもずっと考えていくと思う。
無声映画を観たのは初めて。表現の方法が制限されていることが、表現の広がりを制限するわけではないことを強く感じた。歴史的資料を観たような感慨があり、点数がつけられません。
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