ririmica

裁かるゝジャンヌのririmicaのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.1
これほどスクリーンに釘付けになって見た無声映画はないかもしれない。90分、長いようで短く、このストーリーの迫力を伝えるのに十分な時間だった。

ジャンヌの顔が、審問官達の表情、民衆の表情がクローズアップで映し出され、(特にジャンヌについて)何度も何度も、緊迫感を引き伸ばすかのように流されていく。その緊張感は、BGMとして付けられたカロル・モサコフスキの素晴らしいオルガンの効果もあるとは思うが、その各カットの繋ぎ、1カットの長さによって、始まりから終わりまで絶えることなく続いた。この面において、非常に素晴らしい映画だと感じるし、これをスクリーンで見ることの価値を感じられ、個人的にも見てよかったと思っている。

正直なところ、自分はジャンヌ・ダルクについての知識をほとんど持っていないので、このストーリーやジャンヌの人物像が史実に即しているかどうかについてはわからない。しかしながら、かなり硬派なストーリーラインでありながらも単調になることなく、ここまで心を掴まれる映画になっているのは驚くべきことだと感じた。
ririmica

ririmica