理解はできるのだが、明確かと言われれば、学がなく少しきつかった。映像としては、素晴らしい映画だと思う。常にクローズアップされるジャンヌに、ローアングルが多い聖職者、後半やたら背景に出てくる十字架、ジャンヌにくっつく蝿と、髑髏の蛆虫、髑髏によるモンタージュ、燃える十字架のモンタージュ、右端のみにジャンヌの顔を置き弱々しさを表したショット、拷問器具の迫力あふれるシーンというように挙げればきりがない。映像の教材として使えそう。ジャンヌの疲弊の様子がうまく描かれている。聖職者側の心理も理解できた、ただ、面白くない。評価されるのはわかるが、楽しむ、感動するといった見るための映画としてのベクトルの作品ではない。表現するための芸術作品。
